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前回の記事から、少々時間が空いてしまいましたが、
ちょっと今度の11月に町田で行うコンサートについて書きたいと思います。
このコンサートには2つのテーマがありまして、1つは歌曲、そしてもう1つは舞曲です。
今回は前半に演奏する歌曲について、書かせていただきます。
歌曲とは、当たり前のことですが、「歌のための曲」です。
歌・・・つまり、言葉を使う音楽です。
歌手は、その言葉にメロディーを付けて、表現力を高めます。
しかし、僕たち楽器を演奏する者は、「言葉」を使うことができません。
楽器はメロディーを奏でても、「喋る」ことが出来ないからです。
言葉を使うことが出来ない楽器が、歌を弾くということに、どのような意味があるのでしょうか?
ここで少し音楽史の話を。
17世紀頃までヨーロッパでは、楽器による演奏は、「喋ることのできない」という理由から、劣った音楽として扱われていました。
それまで音楽は、はるか古代から「信仰の言葉」また「詩」と一緒に作られてきた芸術でした。
よって、音楽で一番重要だったのは「言葉」だったのです。
それから、18世紀頃、バロック、古典の時代になって、ようやく楽器の演奏の存在意義が認められます。
面白いことに、17世紀までの考えとはかなり変わります。
それは「感情とは言葉で明確に表現できるものではない。」というものでした。
つまり、器楽演奏は「言葉が持ってしても表せないもの」が表せれる。
それまで欠点として思われてたのを、逆に長所として考えられるようになったのです。
このように「言葉を超えた歌」として、楽器でも歌曲が弾かれるようになったのです。
今までなんとなく聴いていた歌の演奏が、こうして考えてみると、また違う世界が見えるような気がして、面白いですね。
今回、さまざまな歌の世界を表現できるプログラムにしたいと考えています。
実際の歌曲から、最初から楽器のために書かれた歌、民謡、オペラのテーマからの曲・・・などなど。
一人でも多くの人に楽しんでもらえるように頑張りたいと思っています。
舞曲の話はまた今度。
第10回イタリア・アルジェント国際コンクール第2位入賞。第3回ポーランド・ドホミレツキ国際ソロチェロコンクールセミファイナリスト。
サイトウキネン「若い人のための室内楽勉強会」、小澤征爾音楽塾などに参加。ドイツ・コレルリ室内オーケストラと共演。ドイツ・ディプロム及びドイツ国家演奏家資格取得。
これまでにチェロを毛利伯郎、マルクス・ワーグナー、アレクサンドラ・ミュラー、マルクス・ニコシュに師事。
ダヴィド・ゲリンガス、トゥルス・スヴァーネ、マーティン・ルーアのマスタークラスを受講。
室内楽をリディア・ドゥブルスカヤ、マルクス・ベッカー、クシシトフ・ヴェグジン、パスカル・ドヴァイヨン、ハイメ・ミュラー、エカルト・ルンゲに師事。
2009年、日本に帰国。
2010年から名古屋フィルハーモニー交響楽団チェロ奏者。
<演奏会情報>
チケットのお問い合わせは
violoncellostory@yahoo.co.jpまで
2011.3.23.18:45
名古屋フランス音楽研究会特別公演「ピアノソロと室内楽の夕べ」
ピアノ:カザボン田島三保子、竹中勇記彦 ヴァイオリン:竹田千波 ヴィオラ:中村暢宏
曲目:ソロ作品、フォーレのピアノ四重奏曲
前売:3000円
当日:3500円
2011.4.2.19:00
「西風満紀子の音楽」
東京・門仲天井ホール
ギター:山田岳 ピアノ:伊藤憲孝 他
曲目:ギターとピアノとチェロのためのtri 他
前売:2000円
当日:2500円
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