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ここ数日で、一気に冬に近づいた気がします。
インフルエンザもはやっていますし、お体にお気をつけください。
さて、今度の11月21日に行う、町田市でのコンサートのプログラムが決まりました。
チェロとピアノで演奏する歌曲と舞曲の可能性を、存分に味わってもらいたいです。
2009年11月21日18:30 開演
<チェロが奏でるSONGS&DANCES >
幸田有哉×高田有莉子
DUO CONCERT
町田公民館ホール(町田駅前東急109内)
http://www.city.machida.tokyo.jp//shisetsu/cul/d_cul07_y/cul07/images/cul03-4.gif (地図)
チェロ:幸田有哉
ピアノ:高田有莉子
対象:町田市内在住、在勤、在学の方
申し込み方法:町田市コールセンター(042-724-5656)
申し込み期限:11月6日まで
~・~ プログラム ~・~
<Cello Songs>
ブラームス : 愛のまこと
メンデルスゾーン : 無言歌
カザルス : 鳥の歌
グリンカ=バラキレフ : ひばり
ラフマニノフ : ヴォカリーズ
休憩
<Cello Dances>
チャイコフスキー : 感傷的なワルツ
バッハ : 無伴奏チェロ組曲第1番
ショパン : ワルツ第6番「小犬のワルツ」、ワルツ第7番
ピアソラ : ル・グランタンゴ
1枚1枚に、様々な思い出があり、今見て考えさせられる写真もあり、くだらない写真もあり…(笑)。
これから機会を見て、思い出ついでに、少しずつ載せていきたいと思います。
今日は、まず第1回ということで。
僕は、ドイツから日本に完全帰国する前に、ドイツのLeutkirch(ロイトキルヒ)で講習会に参加しました。
Leutkirchは南ドイツにある小さな田舎村で、人口2万人ちょっと。山々に囲まれた、静かな村です。
この村の中心に小さな小学校があり、そこで面白いものを沢山発見しました。
この小学校。
学校であると同時に美術館でもあります。
子供の芸術で!
まず、僕の一番のお気に入りから…。
この絵、一見見ると、悪魔?兵隊?
でも、あるところを見ると、「なるほど!」って驚かされます。
ヒントは、人物(?)の体の部分。
・・・・・・そう!チョコレートの袋で体が出来ているのです!
タイトルは「虫歯」。
この発想力、大人顔負けですね。
続いて、この絵。女の子の絵。
右手にお花。そして良く見ると、洋服にも顔がっ!
タイトルはたしか、「春」だったかな??
メルヘンの世界ですね。
これはタイトルはなかったのですが、色彩の豊かさにビックリしてしまいました。
抽象画!?
良く見ると、色々想像力が掻き立てられます。
上の丸いのはマリかな?
真ん中左にあるのはイチゴケーキ??
う~ん・・・深い・・・。
これは、とても怖い絵。
地面から手が生えてきてます。
禍々しい空気。
手前の凸はなんだろう?
そして、小学校の最上階で待っていたものは・・・・・!!
・・・怪獣?
いかがでしたか?
正直僕は、驚愕して、同時に感動しました。
感性、発想、想像力、そして夢。
純粋な芸術に対しての思いを教えられたような気がします。
昨日、9月に仕事でお世話になった人達との飲み会がありました。
この仕事は僕がドイツから日本に戻った最初のお仕事でして、初めての仕事に緊張していた僕に皆親切に接していただき、また意気投合し、こうしてまた会って色々とお話を伺うことが出来ました。
昔から知っている人、僕のように同じくドイツに行っていた人、ポップス界で活躍している人、卒業したばかりの若い人、室内楽やオーケストラで活躍している人などなど。
皆のそれぞれ自分の音楽をするための方法や活動、考えなどを聞くことが出来、とても深く感動させられました。
特に面白かったのが、
・自分の音楽を見つけ、そこから他の人にはないオリジナリティに溢れるコンサートを作りだすこと。
・クラシック音楽をどのように普及させていくか。
・どのように自分の音楽を沢山の人に聴いてもらうか。
・・・これらは、伝統あるクラシック演奏家として最も難しく、また最も重要な課題です。
そして、この問題に深く関わっていくことが、これからの演奏家が次に進むために必要な事だと思うのです。
さて、僕はどのようにこの課題に取り込んでいこうか??
考えるだけでワクワクしてきます。
歌曲は歌・・・つまり言葉が重要だったのに対して、舞曲は踊りのための曲です。
しかし、僕達演奏家は、例え踊りがなくても、舞曲を演奏します。
「踊り手」がいない舞曲。
そこに、どのような意味があるのでしょうか。
面白いことに、歌曲と舞曲は、太古から現在まで伝えられている音楽です。
しかし、同じぐらいに古い音楽なのに、その歩んだ道のりは違います。
まず知っておいてもらいたいことに、歌は楽器による伴奏がなくても大丈夫ですが、踊りはそうはいきません。
楽器による伴奏がついて、初めて踊れるのです。
よって舞曲は、音楽史的に器楽演奏と同じ歩みをしていくのです。
歌曲の時にも書きましたが、ヨーロッパではバロックの時代まで、楽器での演奏は低く評価されていました。
特に中世では、作曲家は低く評価されている舞曲は書かず、歌曲の作曲に集中していました。
もちろん、この時代に舞曲がなかったわけではありません。
その当時、舞曲は吟遊詩人によって、即興的に演奏され、庶民によって踊られていました。
ルネサンスになると、中世の頃より舞曲は認められ始めました。
庶民で踊られていた踊りが、宮廷で取り入れられ、宮廷舞踏として洗礼されていきます。
この頃に、様々な踊りが開発されています。
そしてバロックになり、ちゃんと楽器演奏が認められるようになり、舞曲がとても高く評価されるようになります。
宮廷では盛んに踊られるようになり、作曲家は舞曲に対し、大いに創作意欲が掻き立てられるようになったのです。
さて、ここからです。
これだけ盛んになった舞曲を、ただの踊りの付属にしておくのはもったいない。
伴奏の領域を越えて、ちゃんとした芸術作品としての地位を確立しようと、作曲家は考えます。
それは楽器演奏だけによる、踊り手なしの作品を作ることになります。
こうして、様々な工夫が施され、「踊りのための音楽」から「聴くための音楽」へ発展していったのです。
このように舞曲は、それぞれの踊りの性格を保ちつつ、その作曲家の独自の世界を持つことが可能になったのです。
踊りの芸術と作曲家の芸術が融合してできた舞曲。
コンサートで、その独特の世界観を楽しんでいただければ嬉しいです。
前回の記事から、少々時間が空いてしまいましたが、
ちょっと今度の11月に町田で行うコンサートについて書きたいと思います。
このコンサートには2つのテーマがありまして、1つは歌曲、そしてもう1つは舞曲です。
今回は前半に演奏する歌曲について、書かせていただきます。
歌曲とは、当たり前のことですが、「歌のための曲」です。
歌・・・つまり、言葉を使う音楽です。
歌手は、その言葉にメロディーを付けて、表現力を高めます。
しかし、僕たち楽器を演奏する者は、「言葉」を使うことができません。
楽器はメロディーを奏でても、「喋る」ことが出来ないからです。
言葉を使うことが出来ない楽器が、歌を弾くということに、どのような意味があるのでしょうか?
ここで少し音楽史の話を。
17世紀頃までヨーロッパでは、楽器による演奏は、「喋ることのできない」という理由から、劣った音楽として扱われていました。
それまで音楽は、はるか古代から「信仰の言葉」また「詩」と一緒に作られてきた芸術でした。
よって、音楽で一番重要だったのは「言葉」だったのです。
それから、18世紀頃、バロック、古典の時代になって、ようやく楽器の演奏の存在意義が認められます。
面白いことに、17世紀までの考えとはかなり変わります。
それは「感情とは言葉で明確に表現できるものではない。」というものでした。
つまり、器楽演奏は「言葉が持ってしても表せないもの」が表せれる。
それまで欠点として思われてたのを、逆に長所として考えられるようになったのです。
このように「言葉を超えた歌」として、楽器でも歌曲が弾かれるようになったのです。
今までなんとなく聴いていた歌の演奏が、こうして考えてみると、また違う世界が見えるような気がして、面白いですね。
今回、さまざまな歌の世界を表現できるプログラムにしたいと考えています。
実際の歌曲から、最初から楽器のために書かれた歌、民謡、オペラのテーマからの曲・・・などなど。
一人でも多くの人に楽しんでもらえるように頑張りたいと思っています。
舞曲の話はまた今度。
第10回イタリア・アルジェント国際コンクール第2位入賞。第3回ポーランド・ドホミレツキ国際ソロチェロコンクールセミファイナリスト。
サイトウキネン「若い人のための室内楽勉強会」、小澤征爾音楽塾などに参加。ドイツ・コレルリ室内オーケストラと共演。ドイツ・ディプロム及びドイツ国家演奏家資格取得。
これまでにチェロを毛利伯郎、マルクス・ワーグナー、アレクサンドラ・ミュラー、マルクス・ニコシュに師事。
ダヴィド・ゲリンガス、トゥルス・スヴァーネ、マーティン・ルーアのマスタークラスを受講。
室内楽をリディア・ドゥブルスカヤ、マルクス・ベッカー、クシシトフ・ヴェグジン、パスカル・ドヴァイヨン、ハイメ・ミュラー、エカルト・ルンゲに師事。
2009年、日本に帰国。
2010年から名古屋フィルハーモニー交響楽団チェロ奏者。
<演奏会情報>
チケットのお問い合わせは
violoncellostory@yahoo.co.jpまで
2011.3.23.18:45
名古屋フランス音楽研究会特別公演「ピアノソロと室内楽の夕べ」
ピアノ:カザボン田島三保子、竹中勇記彦 ヴァイオリン:竹田千波 ヴィオラ:中村暢宏
曲目:ソロ作品、フォーレのピアノ四重奏曲
前売:3000円
当日:3500円
2011.4.2.19:00
「西風満紀子の音楽」
東京・門仲天井ホール
ギター:山田岳 ピアノ:伊藤憲孝 他
曲目:ギターとピアノとチェロのためのtri 他
前売:2000円
当日:2500円
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